毒性学で動物危機管理に貢献する
医薬品をはじめ、食品添加物、特定保健用食品、医療機器などを対象として、科学的根拠に基づいてヒトに対する安全性を適切に評価しなければなりません。すなわち、毒性学に基づくリスク評価が求められています。私達の研究室では、これらのヒトに対する安全性を評価するために必要な実験動物を用いた発生毒性評価研究を行っています。
化学物質などの生殖発生毒性(次世代に及ぼす影響を含む)についての評価を行う場合、ヒトを用いた臨床試験で確認することができません。従って、実験動物を用いた生殖発生毒性評価が非常に重要であり、特に妊娠動物を用いて胎児への影響を評価する発生毒性試験(催奇形試験)はサリドマイド事件以降、特に重要視されています。しかし、試験方法や試験結果のヒトへの外挿性など、数多くの課題があります。私達の研究室では、化学物質の発生毒性作用の評価技術の確立を目指して研究を行っています。
化学物質などの生殖発生毒性(次世代に及ぼす影響を含む)についての評価を行う場合、ヒトを用いた臨床試験で確認することができません。従って、実験動物を用いた生殖発生毒性評価が非常に重要であり、特に妊娠動物を用いて胎児への影響を評価する発生毒性試験(催奇形試験)はサリドマイド事件以降、特に重要視されています。しかし、試験方法や試験結果のヒトへの外挿性など、数多くの課題があります。私達の研究室では、化学物質の発生毒性作用の評価技術の確立を目指して研究を行っています。
ラット胎児に中軸系骨格に変異または軟骨異常を高頻度に誘発させる化学物質を選定し、その物質を用いて、誘発された骨格変異や異常が生後どのように変化するのか、また出生児の生後発達や運動機能にどのような影響を及ぼすのかを調べて、変異や軟骨異常が有する毒性学的意義の検討を行っています。
写真はラット胎児の骨格標本です。ある化合物を母動物に投与することにより仙椎(骨盤近辺にある背骨)が1つ増えています。
心循環系の薬剤にはラットのin
vivoの試験で胎児致死や形態異常を誘発するものがあります。その原因を研究するためにラット胎児を24時間培養しました。その結果、右の写真のように胎児において循環障害とそれに起因する形態異常が認められ、この作用がin vivoでの胎児致死や形態異常を誘発する原因と考えています。
この手法は化合物による発生異常の作用機序を研究するために有用な方法で、発生毒性評価に有用な情報を提供します。
本学は社団法人実験動物協会の1級資格認定の特例校です。実験動物1級技術者資格は通常では社会にでて実験動物にかかわる業務を経験した後にこの資格を受験できますが、特例校ゆえに在学中にこの資格を受験できます。在学中に取得するために実験動物の授業と実習、またはサークル活動を通じて知識と技術の取得を目指し、毎年、合格者を出し、合格者はこの資格を生かして社会に貢献しています。
実験動物2級技術者資格についても、1級資格取得の前段階として受験することが出来ます。こちらの資格も多くの合格者を出しています。
坂 芳樹(教授)
4年生
大友遥香
沖村 遥
小沼寛季
熊谷丞泰
坂本知也
八田青夏